2005年07月23日 新設。工事開始。
2005年07月24日(その2) 工事完了。
2005年08月08日 誤記訂正と追記。
ここでは、Google Earthをさらに使いこなすために、「Options」と「Advanced」について解説します。
ツールバーのToolsの中に、「Options...」という項目があります。
Options...を選択すると、次のような画面が出ます。
上の方に見出し(タブと言います)が5つありますので、順を追って解説します。画像はサンプルであり、設定は筆者が実験的に設定しているもので、数値等は推奨値ではありません。
(1)View (2)Cache (3)Control (4)Navigation (5)Preferences
3Dの表示について設定を行います。
(1)Detail Area (2)Texture Colors (3)Anisotropic Filtering (4)Labels/Icon Size (5)Rendering (6)Rendering (7)Fonts
(1)Detail Area ディテール・エリア = 高精度領域
Google Earthの画面を最大化している時など、見ている画面のすべての領域が高精度で表示される訳ではないことに気付いている人も多いと思います。PCとサーバに負荷をかけないために、全領域でなく、画面の中心から一定の面積だけを高精度表示にしているのです。この選択肢で、どのくらいの面積を高精度表示するかを選択することができます。
次の3枚の画像は、私の手元での実験を忠実に再現するために、あえて.pngで保存してあります(jpegだと非可逆性圧縮画像になってしまうのに対し、.pngは可逆性圧縮画像であるため)。この3枚を、表示比率を100%(1:1)にして、見比べてみて下さい。画像の左上よりちょっと右あたりが、画面の中心になります。設定次第で、どの程度画像の周辺がボケるか(または、高精度に表示されるか)が分かると思います。
1024×1024設定(901KB) 512×512設定(803KB) 256×256設定(642KB)
256×256を512×512にすると、単純計算で約4倍の描画負荷がかかりますが、山岳地帯などではポリゴンが細かくなるでしょうから、もっと負荷が増大するかもしれません。その辺の描画アルゴリズムがどうなっているかは分かりませんが、描画能力があまり高くないPCでは、ここを低めに設定しておけば、画面のもたつきがなくなります。その代わり、画面のまわりがぼやけてしまいます。ぼやけをなくすためには、逆に高めの設定にすれば良いのですが、前述の通り描画負荷がかかりますので、グラフィックがオンボードだったりすると(例:ノート型など)きついかも知れません。
また、面積を広げる設定にすれば、当然そのデータをサーバから拾ってくる必要が出てくるわけで、特にGoogle Earthのサーバが混んでいる時や、Plusでない人、細い回線を使っている人は、Streaming...が100%になるのにもの凄く時間がかかるようになります。
AGPスロットがあるPCを使っている場合で、ご予算の都合がつく方は、ポリゴンに強いグラフィックボード(nVIDIAシリーズやRADEONシリーズ)に交換することを検討してみて下さい。
(2)Texture Colors = テクスチャ色数
テクスチャとは、ポリゴンに貼る画像(このソフトの場合、衛星写真)です。前述の通り、山はポリゴンでできていますので、そのポリゴンに木や川などの衛星画像を貼り付けていくことによって、ティルトした時に立体的に見えるという訳です。
ここで設定するのは、それに使用する色数です。これもPCの描画能力に左右され、結果は描画の美しさに反映されます。「画面のプロパティ」で色数を16bitに設定してあるのであれば、ここを32bitにしても意味はありません。
この「画面のプロパティ」画面を出すには、(ウィンドウを常に最大化で使っている人は、いったん起動しているアプリのすべてのウィンドウを最小化してから)画面の何もないところで右クリックして、「プロパティ」を選びます。
(3)Anisotropic Filtering = 異方性フィルタリング
アニソトロピックとは「異方性」です。真上から眺めている時は良いのですが、ティルトをかけると、ポリゴンを斜めから見ることになります。そのまま貼り付ければ、当然、奥行きによって1ピクセルが表す面積の比率が変わってきますので、奥の方の描画が粗くなってしまいます。そこで、アニソトロピック・フィルタという、補正をかける仕組みがあるのですが、それを使えば美しい画像になる代わりに、より高度な演算力を求められます。
その、「どの程度補正をかけるか」の設定をここで行います。これも、実験画像を見ていただくのが早いでしょう。こちらも敢えてpngを使っていますので、画像ファイルが大きくなっています。
off(442KB) medium(532KB) high(533KB)
offの時は、お話にならない程度にぼやけてしまっています。mediumと見比べてみて下さい。highにすると、さらに奥の方まで忠実に描画されているのが分かると思います。このサンプルでは、mediumもhighも変わりはありませんでした。グラフィックまわりがそれほど高速でない人は、mediumで構わないと思われます。
(4)Labels/Icon Size = ラベル文字とアイコンのサイズ
その名の通り、ラベルとアイコンの大きさを変えることができます。Large, Medium, Smallとあります。実際に見てみましょう。
・Large
・Medium
・Small
(5)Rendering レンダリング = 描画手法
(1)Compass 画面上、左下にコンパスを表示するかしないかの設定です。表示しておいた方が安心でしょう。
(2)Atmosphere 通常、CG業界でAtmosphereといったら空気感フィルタのことなのですが、この場合は宇宙から見た地球視点(最初の画面)から、ズームで近づけていった時に表示される「大気圏」を表示するかしないか、の設定になります。
(3)Elevation Exaggeration 「標高の誇張」です。この数値を変えると、山やビルの高さを誇張して描画することができます。3が最大値ですが、凄いことになります。小数点も使えます(1.2のように)が、使えばその分描画速度が落ちるものと覚悟しておきましょう。0にもできますが、気持ち悪くなります。1.2〜1.5ぐらいが、いちばん実感的に見えるように思います。
(4)Show lat/lon in degrees, minutes, seconds
ここにチェックが入っていると、次のように緯度・経度がデグリー(度・分・秒)表示になります。
外すと、lat / lon表示になります。これは小数点以下が100進法になります(デグリーは60進法)。
地図と照合しながら地点を特定するような場合には、デグリーにした方が良いでしょう。
(5)Show elevation in feet/miles
起動直後は、フィート・マイル法で表示されているはずです。
しかし、日本ではメートル法を使っており、むろん私もメートル法の方が直感的で楽です。チェックを外せば、メートル法の表示になります。
余談ですが、国際的にはSI単位系でメートル法の方が標準となっています。日本は早々とSI単位系に準拠しており(ある程度歳がいった方なら、天気予報で気圧の単位がミリバール(mbまたはmbar)からヘクトパスカルに(hPa)になったのを覚えておられると思います。しかし宇宙航空方面、ミリタリー関係では、未だにフィートft・マイルmi・ポンドlbなどが使われております。電子機器も端子の間隔がミルmil(=インチを1,000で割ったもの)になっておりますが、日本製や最近のLSIではミリが使われているものも多く(0.5mmピッチなど)、ミルとミリの部品が混在すると、CAD操作などで大変イライラします。自作PCでも、インチねじ・ミリねじの問題があります(本当に余談ですね)。
(6)Safe Mode for Graphics
グラフィックボードや、ドライバなどの問題が発生した時に、ここにチェックを入れておけば使えるかもしれないというものです。普段は気にする必要はありません。
(6)Rendering
GoogleとしてはOpenGLを推奨しています。それで問題ないと思います。グラフィックボードやドライバがチューンしてあって、DirectXの方が描画が早いという自作廃人(誉め言葉)の方などは、DirectXを選ばれると描画が速くなり良いのではないでしょうか。
(7)Fonts = フォント設定
Primary 3D Fontには、画面上に表示される地名やラベルに使われるフォントを選ぶ訳ですが、普通のArielはアルファベットのみで、日本語ほか多言語が入っていません(普通の環境では)。そこで、Secondary 3D Fontに、Ariel Unicode MSが入っています。これなら日本語だろうがアラビア語だろうが表示できるはずです。が、これはインストール環境によっては変わるかもしれません。
ほか、この画面でフォントサイズなどを選ぶことができますので、好きなようにチューンすると良いと思います。
この画面では、物理メモリやハードディスクにキャッシュをどの程度確保するかを設定します。多ければ多いほど、サーバからのデータ転送し直しがなくなりますので、いったん読み込んだ地形を高精度に保ったまま移動することが楽になります。ツアー作成・閲覧の時などにも威力を発揮するでしょう。
Memory Cache size:物理メモリ・キャッシュです。「実際に搭載しているメモリ容量が設定の最大値となります」と書いてあります。私のPCにはいま1GBしか載せていませんので、他のアプリへの支障も考えて128MBしか切っていませんが、物理メモリを多く載せている方は、ここを大きくすると楽だと思われます。やりすぎると、他のアプリを併用した時に、ページングアクセス(WindowsもHDDを仮想メモリとして使っているので、そこへのアクセス)が激しくなることが予想されます。
Disk Cache size:ハードディスク・キャッシュです。「512MB以上には設定できない」と書いてあります。
操作性について設定を行う画面です。
・Fly-To/Tour Settings
(1)Spped (2)Tour pause (3)secondsのスライドバー (4)Play
tour
(1)Speed: kmzファイルを選択した時や、ツアーの移動の速度を調整します。デフォルトのいちばんスローな状態は、最初は遊覧飛行をしているようで気持ちが良いです。が、大量に地点を登録したい時などには、ちょっと煩雑に感じます。そのような時に、ここで飛ぶ速度を変えることができます。サンプル画面の位置でも十分高速ですが、一番右にすると瞬間移動(移動中の画面は出ない)になります。
(2)Tour Pause: ツアーでの、各地点での滞留時間の調整です。小数点も使えますので、例えば0.5秒という設定も可能です。(3)で、数値を入力せずにスライドバーで調整することができます。
(4)Play tour: ツアー実行を行った時に、何回繰り返すかを設定します。普通は1で良いでしょう。9999回まで設定できます。また、1の状態で小さい下アイコンを押すと、infinite(=無限)設定になります。
・Mouse Wheel Settings
(5)Speed: マウスホイールでのズームイン・ズームアウトの速度調整です。
・advanced
(6)advanced項目を表示するか否か: 普段はここはチェックが入っておらず、下記の項目は出ていないはずです。チェックを入れると、下記の項目が現れます。
・Fly-To-Speed
(7)スライドバー:
・Tour Speed:
(8)スライドバー:
この二つは、最初(1)のSpeedでの調整値を、Fly-toとTourとで個別に設定するためのスライドバーです。
・Driving directions tour options
(9)Camera tilt angle:
(10)Camera range:
(11)Speed:
ツアー実行時の見え方を調整します。特にpathをなぞる時に有効のようです。(9)はティルト角度、(10)はカメラ高度、(11)は速度の調整です。
ナビゲーションモードの切り替え画面です。なお、ここに書いてあるモードは、わざわざOptionsのこの画面を開かなくても、すべて併記してあるキー操作で切り替え可能です。たとえばClick-and-Zoomモードに切り替えたければ、CTRLキーを押しながらZキーを押せば良いわけです。
・Trackball(CTRL+T)
デフォルトの操作です。左ボタンでのドラッグで移動、右ボタンを押しながら上下でズームの操作です。
・Click-and-Zoom(CTRL+Z)
カーソルが十字形になります。左クリックした地点を中心としてズームアップして、右クリックした地点を中心としてズームアウトします。捜し物をする時に便利です。ホイールでのズームアップ・ズームアウトも有効です。
・G-Force(CTRL+G)
説明しにくいのですが、左ボタンを押しながら上下でティルト、左右で回転、右ボタンを押しながら上でズームアップ、下でズームアウトになります。わずかにズームアップしながら左ボタン操作を行うと、遊覧飛行しているような(エースコンバットシリーズの簡易版操作みたいな、というと、分かりやすいかも)操作感になりますが、慣れないとちょっと気持ち悪いかもしれません。
(1)Show Tooltips: 画面上の各種ボタンなどにカーソルを合わせた時、四角いバルーンヘルプを出すか出さないかの設定です。
(2)Show web results in external browser:
(3)Show common Layers on Navigation bar: ナビゲーションバー(下図)の、レイヤーチェックボックス(2)を表示するかしないかの設定です。
(4)Show Print, Email, and Add Placemark buttons on Navigation bar: ナビゲーションバーのPlacemark(9)、Mail(10)、Print(11)ボタンを表示するかしないかの設定です。
(5)Use Mozzilla Thunderbird / Use my Gmail account: 上図(11)のメールボタンを押した時に、Thunderbirdを使うか、Gmail(BETA)を使うかのデフォルト設定です。ただし、次の(6)にチェックが入っていない場合にのみ有効のようです。
(6)Let me choose each time I send an email: メールボタンを押した時に、下記の選択ダイアログを出すか出さないかの設定です。このダイアログで「□Remember this setting, don't display this dialog again.」を間違ってチェックしてしまった場合にも、ここのオプション設定でダイアログを復活させることができます。
左下のReset to Defaultを押して下さい。すべての設定がインストール時のものに戻ります。
(1)Advanced: これを押すと、下に詳細な設定項目が現れます。
・Labels
(1)Color: ラベルの文字色を、ここで個別に変更することができます。
(2)Scale: ラベル文字の大きさを、ここで個別に変更することができます。普通の設定(先のOptionsのSmall,
Medium, Large)に対する相対的な大きさになります。
(3)Opacity: 透明度です。100%が不透明、50%が半分透けた状態、0%が透明です。
・Icons
(4)Color: ラベル同様、アイコンの背景色を、ここで個別に変更することができます。
(5)Scale: ラベル同様、相対的な大きさを設定できます。
(6)Opacity: ラベル同様、透明度を設定できます。
(7)Icon File/URL: デフォルト値か、右上で選んだアイコンの元ファイルが表示されています。自分で作ったものに差し替えることもできますが、ローカル(つまり自分のPC)を指定すると、ホームページにkmz/kmlファイルを貼り付けた時に厄介なことになります。そういった場合に、アイコンを.pngファイルなどでページに置いて、そのURLを指定することで回避できます。(8)のBrowseボタンで場所の選択ができます。
(9)Icon Rectangle: アイコンの位置と大きさです。(10)(11)がx, y座標(衛星写真画面の左上が(0,0)です)、(12)のwが幅、(13)のhが高さです。
上の画像は、ノーマル状態と、「2.0倍の大きさ、50%透明、アイコンをグレー、文字を緑」に設定した場合との比較です。
(1)Drag Placemark to desired location: Placemarkそのものを希望の位置にドラッグして下さい、ということです。
(2)Center Placemark in View: Placemarkの位置を画面の中心に据えるということです。
(3)Latitude: Placemarkの緯度です。
(4)Longitude: Placemarkの経度です。
(5)Altitude: Placemarkの高度ですが、(6)の設定次第では無効となります。
・Altitude
(6)Altitude are: 「Clamped to ground」=地面に合わせる、「Relative
to ground」=地面からの相対的な高度を指定する、「Absolute」=海抜からの絶対高度を指定する。
(7)Extrude vertically(e.g., buildings): ビルなど3D物体がある時に、その分の高度を押し出す設定です。
(8)Altitude Slider: 高度を調整するスライドバーです。
(1)Snapshot current view: 回転やズーム・ティルトの、現在の状態を取り込みます。
(2)Reset to default view: 回転やズーム・ティルトを、デフォルト値に戻します。
(3)Latitude: 緯度。
(4)Longitude: 経度。
(5)Range: ズーム高度。
(6)Heading: 回転方角(北=0度、西=90度、南=180度、東=270度)。
(7)Tilt: ティルト角(傾き角、真上=0度、真横=90度ですが、視点とPlacemarkの関係によっては90度まで設定できないことがあります)。
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