難易度:夏休みの自由研究に最適な程度、手先が器用なら小学生でも作れる。要はんだごて、部品類。
警告:実施は個人の責任においてお願いします。
WARNING : PLEASE OWN YOUR RISK.
2005年08月20日 新設。
夏暑くて冬寒いのがコミックマーケット、すなわちコミケの風物詩ですが、目の前を担架代わりの車いすに乗せられ、倒れた奴がスタッフに搬送されている姿を目の当たりにするたびに「過酷な環境だなあ」と思います。買い物に動き回っても地獄、売り子としてずっと座っていても地獄。同人誌の売買がなければ、おたくの我慢大会です。熱気と湿度が、空調機の冷気で急激に冷やされて水滴化する「コミケ雲」という現象も時折観測されるようです。なにしろこういう状況ですので。
![]() |
|
開場前、炎天下に隊列を 組んで出撃する買い出し 部隊。 |
人気サークル必須の 「最後尾」の札。ここは お客に持たせている。 |
で今回、売り子の手伝いをしてきた訳ですが、サークルに配られるパンフ(印刷所やイベントの宣伝)の中に、ウチワが3枚入っていました。しかしそれは人力を使います。むしろ、開場後1時間ぐらいは平和なんです(突入した人間が人気サークルに真っ先に直行するため)。コミケは1300からが勝負。ここから急激に暇になったり急激に忙しくなったりと厳しくなります。ですから体力は少しでも温存しておきたい。
さて、8月の頭に、「空調を入れるほどの温度でもないけれども、扇風機を使うと半田ごての熱が下がり、半田付けが難しくなるので、局所的に冷却する装置を急ごしらえで用意しました。
どのマシンから外したかさえ分からなくなった空冷ファン(回転数パルスセンサなし)を、無線機用の電源に直接つないで、電圧を12Vぐらいにしてぶん回しています。Vのメーターを見ればお分かりかと思いますが、このファンは回っています。しかしデジカメが、中古で1万しなかった割には(歪曲収差が凄いのと、マクロ撮影に弱い以外は)良い買い物だったと思います。
今回は、このファンを流用して、携帯型扇風機を作ってみました。秋葉原に行かなくても、すべて自分の部屋のストックでなんとかなったのが、自分でも嫌だなーと思います。
アプローチは簡単です。9P箱形電池(公称9V)を2個使用して、それをレギュレータ7812で12Vに落としているだけです。ちなみに、下の写真に映っているボリュームで回転数の調整ができるようにしようとも思いましたが、冷静に考えたら、どうせ着いたらぶん回しっぱなしなので、やめました。
ファンのすぐ左が、細く切った蛇の目基板、ボリュームのつまみ、ボリューム本体です。その下がスイッチ、そこから右へレギュレータ7812、0.1μFの積層セラミックコンデンサ、余っていた、もう使わないであろうBlack Gateが2種類、その下が背中合わせに貼り合わせた9P用の電池です。
あまりにも直前に作ったので、途中経過と完成直後の絵がありません。さらに、会場で落として、スイッチが壊れてしまったため、会場内での応急処置として、スイッチの根元の端子を無理矢理くっつける方向に曲げ、カッターの歯を折ったもので短絡しています。もっとも、カッターがあるのなら、現場で被覆を剥いてより合わせれば良かった訳ですが、とにかく撤収まで動き続けてくれました。
ご参考までに、回路図はこちら。この回路図は、「どうせ回しっぱなしだからSWはいいや」と省略しましたが、SWを付けたい人は、電池のマイナスから回路GNDへの途中に付けて下さい。付けない人は、電池を片方でも外すことで止まります。
三端子レギュレータの出力側に付いている0.1μFの積層セラミックコンデンサは、発振防止用のものです。その横の電解/固体高分子コンデンサは、出力安定化のためです。まあこのアプリケーションでは要らないかもしれませんが、せっかくだし、付けないと気持ち悪いので付けています。
工法ですが、回路そのものは蛇の目基板に付けました。ですがガワの素材がよく分からず、普通の瞬着などではくっついてくれず、エポキシパテも切らしていたので、シリコンゴム(信越KE45)で付けました。多少ぶにぶにしますが、問題ありません。
時間があれば、ティルトスタンドか、首振り装置を付けたかったのですが、残念です。ちなみに驚いたことに、いまも短絡すれば、回転数が下がったとはいえ回り続けるタフさで、ルータとハブを局所的に冷やしています。
2005年8月22日追記 さすがに1日回していたら、回転数が低くなり、やがて動かなくなりました。今はACアダプター対応として、ハブとルータを冷やすのに使っています。