難易度:簡単、ただし要はんだごて。
警告:この作業を行うと、メーカーサポートを受けられなくなります。実施は個人の責任においてお願いします。
WARNING : PLEASE OWN YOUR RISK.
2004年11月19日 新設。
2005年01月08日 いただいたレポートをもとに追記。
2005年01月10日 補足追加。
2005年06月03日 後日談追加。
2005年06月13日 誤字修正。
2005年06月13日(その2) 復活第一次作戦を追加。
2005年08月20日 レイアウト変更。
2007年05月03日 復活第二次作戦を追加。
2007年11月11日 復活第三次作戦を追加。
長年愛用してきたシェーバー、ブラウンの6515(ブラウン派。これが三代目)が、とうとう充電できなくなってしまいました。電源コードを挿したままなら動くのですが、やはりどうも使い勝手が悪い。ついに買い換えかと思い、一応ブラウンジャパンのサポート窓口に「買い換えるので捨てますが、廃棄条例があるので、中味の電池の種類を教えて下さい」と聞いたところ、ニッケル水素とのこと。まあ、これ以上怪しく下心まんまんの質問もないでしょうが。
そこで早速分解してみたところ、単三型の二次電池らしきものが二本入っているではありませんか。これがニッケル水素電池か? これ取り替えれば生き返るんじゃないか? ということで着手して成功しましたので、そのプロセスをレポートします。
幸い手元には、ワイヤレスマウスやデジカメ、急速充電器等の評価用に、ラジオセンターの店で買ってきた、GPの2000mAhの安いニッケル水素が2本転がっていました。今回はこれを使うことにします(*1)。ちなみに左のシェーバーが使い倒して、替え刃を両方交換してからまだ1年経っていない6515、右のシェーバーがコンビニ売りされている旅行用の350です。
(*1)文末で触れますが、秋月電子通商さんでタブ付きNi-MH電池が販売されています。
いま気づいたけど、このデジカメ、マクロ撮影時の周囲の歪みが凄いですね。まあ仕方ないですか。
6515のACインレットの左右に丸いパーツがはまっていますが、これがビスを隠しています。幸い接着はされていませんので、細いマイナスドライバーか、キリ状の工具で外すことができます。肝心の所にピントが来ていなくて大変申し訳ないですが、マクロレンズがないので勘弁して下さい。これでも三脚を立てて撮影したんです。ああフラッシュ炊けばよかったんですな。
出てきたビスを2本とも外すと、底のパーツが外れます。
で、ボディーを持ちながらACインレットの部分をぐぐっと押し込んでやると、ボディーがずれます。横のセイフティーがLOCK位置になっていると、ずれませんので、そこだけ注意して下さい。
この先の工程は、ヒゲのカスが机に飛び散らないように、ティッシュペーパーを敷いて作業します。
黒いカバーが基板を覆っていますが、下の2枚の写真に示す場所のツメで留まっているだけです。これはマイナスドライバーでこじれば簡単に取れます。
こちらが反対側。
刃の側にも内側にツメがあり、モーターを押さえる形になっていますが、無理なく左右にぐりぐりとこじれば取れます。
カバーが取れると、電池を含め、基板が姿を現します。目印として、電池の+側にマジックで+と書いておくとよいでしょう。後で基板にも極性を書くからです。黄色い矢印の側がプラスになります。普通の電池と同じような極性の形をしているのですぐ分かると思いますが、タブという電極部品が溶接されていますので、このままでは電池が交換できません。
そこで、まず基板を取り出します。ツメ等は特にありませんので、そのままがぱっと外して下さい。この際ですから、モーターやその周りにたまったヒゲのカスを気吹きしておくと良いと思います。スイッチやモーター、ACインレットへの接続は全てバネになっており、ドイツっぽい合理的設計になっています。
さて、いよいよ基板の大部分を占める電池を外す訳ですが、その前に、黒と赤のジャンパワイヤをどかしておきましょう。
いよいよ、電池を取り外します。充電してもすぐ動かなくなるぐらい消耗しているので、電荷はそんなにたまっていないと思われますし、感電の危険もほぼないと考えてさしつかえないですが、作業の際にはあまり電極どうしや半田面をべたべた触らないのが良いでしょう。
電池の電極は、下の矢印のところ4箇所です。
はんだごてで熱しながら、細いマイナスドライバーでこじって、電池を取り外します。電池ものは、もう少し電圧の高いものだと、順番が大事になるんですが、今回は電圧も低いことですし、電荷もあんまり溜まっていないと思われますので、外す順番はあんまり凝らなくて良いです。
普通の乾電池は1本の公称電圧が1.5Vですが、ニッケル水素二次電池は公称1.2Vです。それが2本あるので2.4Vになります。なお、電池の残容量はテスターの普通の電圧レンジで計っても分かりません。負荷がかかっていないからです。もちろん、電池テストレンジが付いているテスターでは話は別です。
これで、準備が整いました。一個取り外したら、忘れないように基板に極性を書いておきましょう。
写真は省略していますが、元からついていた電池のタブをラジオペンチで無理矢理はがしました。途中で折れますが、そこそこの長さが取れれば良いです。で、新しい電池の電極を、カッターナイフの背中でごりごりとこすります。はんだがきちんと載るようにです。いも半田やテンプラになると、後で大変なことになります。また、電極側にも、あらかじめ半田を盛っておきましょう(この作業を予備はんだと言います)。そして、はんだごてにはんだを玉状に付けて、いっきに半田付けしてしまいます。電池への電極半田付けというのは、本当は大変良くないことだからです。3秒以上は時間をかけすぎだと思って下さい。失敗したら、一気に挽回しようとせず、少し冷やしてから再挑戦して下さい。 →追記 タブ付き電池(文末参照)を購入すれば、この問題はなくなります。
タブを付けたら、元の基板に付け直します。この写真では省略していますが、基板側のタブが付いていた場所に半田が残っていると、タブが入りにくいことがあります。この時は、あたためて電池をむりやり半田付けするようなことはせずに、はんだ吸い取り器やはんだ吸い取り線などで、基板側の余分なはんだを取り除くようにして下さい。
下が、新しい電池を付け終わり、ワイヤを元通りにしたところです。ピントが来てなくてごめんなさい。
ワイヤの押し込み位置が悪いと、分解時の黒いカバーが浮いてしまうことがあります。注意して下さい。
この後は、分解したのと逆の手順で組み立てます。はめ込み式でねじも2個だけなので、本当に簡単だと思いますので写真は省略します。
さて、いよいよ火入れ式です。たぶん緑色のLEDがつきっぱなしになりますが、それで正解です。もしLEDが付かなかったら、電池の半田付けがうまくいっていません。
手元での動作状況の動画はこちら(7秒、667Kバイト)。手間を考えなければ、1,000円かけずに修理できるわけです。
※もし異音がしたり、煙を噴いたりしたら、工作は失敗です。もしくは工作前にどこかが壊れていた可能性があります。ご臨終ですのであきらめて買い直して下さい。
このページを参考に、5515で同様の修理に挑戦された方からレポートのメールをいただきました。このタイプは底がスクリュー(ビス)になっておらず、側面からカッターナイフなどでこじるようにして開けるタイプであったとのことです。
2005年1月10日補足(私の早とちりでした) スクリュー(ビス)隠しの蓋が、上記6515と違い、カッターナイフを切れ目にいれて少しこじるという方式とのことです。分解方法は同じBRAUN製品でも、各機種で異なる可能性が高いですので、下記のサービスマニュアルを参考にして下さい。
サービスマニュアルをpdfでお送りいただきました。googleで検索をかけたところ、サービスマニュアルが置いてあるページがありましたので、型番が合わず分解できない場合は、そちらを参考にされると良いかと思います。
タブ付き電池は、秋月電子通商で販売されているとのことで、こちらでも確認しましたところこの商品が該当します。
情報をご教示いただきまして、ありがとうございました。
その後、快調に動作していたこのシェーバーですが、5月初旬頃から充電の際のLEDが点かなくなり、中旬頃から充電の調子がおかしくなりました。本日、分解して修理を試みましたが、その際にケアレスミスではんだブリッジをしたまま通電して発煙してしまい、完全に動作不能となりました。腑分けはもう行った訳ですが、天寿を全うといかず、自分のミスでこのような形になってしまい、大変残念です。後日、予算ができたら新しいシェーバーを購入する予定です。
予算の都合で、ずっと旅行用シェーバーをNi-MH電池で使いながら我慢してきましたが、やっぱり一本だけピンと生えた毛がなかなか剃れず、鏡を見ながら鋏で切るという剣呑な作業をしてまいりました。しかし我慢も限界であります。買い換えるにも、最大の難関であるところの、予算がありません。
ただ、実は6515はなかなか捨てられずにいました。修理失敗は痛かったものの、モーターに4.5V程度を印加すると、ちゃんと高速で回ります。つまり、モーターが焼けた訳ではないのだから、電源さえなんとかしてやれば、復活する可能性大。それに、やっぱりものは大事にしたいんです。「俺も生まれ変わるから、お前も生まれ変わってみないか? まだ心臓は動くんだろう?」 ということで、改修第一次作戦に着手です。
まとめますと、「もう基板が使えないのであれば、モーターだけ再利用する」というコンセプトで、Ni-MH単三電池2個を別電源とした改修を試みてみました。実態は、単につないでみただけですが。
まず基板上に載っている部品を、部品面のモーター接点横のジャンパ線と、はんだ面のLED(+LED用チップ抵抗)を残して、すべて撤去します。ハンダ面のパターンを追いやすくするためです。
なお、充電コントロール用と思われる表面実装ICは、接着剤により固定されていますので、まず足を細いニッパーで切り(細いニッパーを持っていない人は、カッターナイフで切ると良いでしょう)、その上でICをラジオペンチ(以下ラジペン)でこじります。抵抗やコンデンサは、電極の両端を同時に熱しながら横方向の力をかけると外れます。
また、ACインレットのすぐ近くのピン4本のDIP(ブリッジダイオードです)と、その横の、レイケムのポリスイッチ(自動復帰フューズ)と思われる部品には、部品面・ハンダ面両面ともシリコンゴムが盛ってあります。カッターですこし剥がして、ラジペンやトゥイザーなどで取ると良いです。ブリッジダイオードは、再利用を考えないなら(私はこのセットで発煙事故を起こしましたので、安全のためLEDとLED用チップ抵抗以外の部品は一切再利用しません)足を切った方が外しやすいです。
くれぐれもやけどに注意してください! 私はチップ抵抗を飛ばし、2箇所ほど手をやけどしました(まあいつものことですけれども)。
そして用意しましたのが、八重洲無線のVX-5というハンディ機(鉄道無線を傍受するために購入)用の電池パックです(VX-5そのものには、充電池がついており、ACアダプタを挿せば充電できる)。これにNi-MH電池を2個セットすると、電極の地点でだいたい4.5Vほど出ます。今回はこれをそのまま使いました。配線はご覧の通りです。凝らなければ、もっと簡略化もできます。
上記が、シェーバーにセットした状態です。内刃も外刃も付けずにスイッチを入れると、かなりの回転数で回ります。ただ、このままでは、基板が浮いてしまうため、ダミーの電池(使い切ったアルカリ電池をセロハンテープなどで絶縁したものが良いでしょう)を付けます。
基板と電池は両面テープで固定し、電池とモーターが触れる場所にはセロハンテープを貼って絶縁します。本当は絶縁テープを貼りたかったところですが、不覚にも行方不明になってしまいました。あとで捜索隊を編成します。
ちなみに裏面は、このようになっています。部品を全部外したところに、赤のLEDを電源ランプとして使うため(緑のLEDは、やはり故障して切れていました)、青いワイヤで抵抗とLEDにそれぞれ配線を行っています。
そして組み立てようとして、ここで「電池ケースが付いたままでは蓋が閉まらない」ということに気付きました。あほですね。あとでコネクタ化する予定です。また、電池ケースも、本体に何らかの形で固定するつもりです。
この、外側ACインレットパーツの横についている2個のねじ穴が、いちばん下のパーツを固定する時に使うものですが、これが利用できないかと考えています。
とりあえず、見た目は悪いものの、なんとか動くようになったので、さっそく利用再開です。刃の抵抗のためか、回転数は遅くなりましたが、いままでなかなか剃れなかった「一本だけ残ったバカ毛」が、何の支障もなくサクッと剃れる様は、ブラウンモーニングという感じがします。首振りヘッドだし。あとは、モーターがイカれるまで頑張っていただくとしましょう。
Ni-MH単三電池を使っている訳ですから、デジカメなど他の機械といつでも共用できる(=充電切れで慌てることが基本的になくなる)訳で、少しの期間は電池がぷらぷらしていても、あまり気にしないことにします。
すみません、本当はもっと以前にやっていたんですが、仮組みのまま実用に供していたのですっかり更新サボリになってしまいました。
パワーが足りなかったので、ニッケル水素4本仕様にしてみました。
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セロテープで仮止めなので見た目は異様に悪いですが(エポキシ系接着剤を切らしてまして)、2700やeneloopを装填した時の回転の好調さと言ったらないです。ただ、少々持ちにくいのだけが難点でしょうか。
上記の状態も相当無理があったようで、ずっと仮止めのままでしたので、10月中旬ぐらいから線が切れたり、電池ボックスが脱落したりしていました。それ以前に見た目がよろしくなさすぎます。
メールをいただいたこともあり、ここでコード付き電池レスな構成に改修しようと決意しました。しかし最初の作戦は失敗しました。
余っているACアダプタってお手元にたくさんありませんか? 私はあります。筐体を見るとなかなか分かりませんが、分解すると「なんか小さいACアダプタなら入りそう」という感じがあります。
型番で調べられると思いますので先に書いておきますが、W-ZERO3[es]のアダプタです。中身はミツミ製です。ちょーど5Vが1A出るという分かりやすいアダプタで、分解してもコンパクトで良い感じですので、これをぶち込んでみることにしました。
上のように仮組みをしてみましたが、なんとか入りそうです。絶縁等、いろいろな工夫をした上で100Vを突っ込んでみました。その瞬間「ぽふっ」という音がしましたので、慌ててコンセントを引っこ抜きました。原因は、上の写真でいちばん右下に見えているコンデンサの足が、その奥のダイオード放熱用のヒートシンクと思われる板に当たってショートしたようです。
基板を取り出してみました。画面中央、黄色矢印で示したチップ抵抗が吹き飛んでました。たぶん保護抵抗で、上と同じ1R0(1Ω)だとは思うんですが、表面の抵抗値が読めません。個人的にも「100Vをてのひらに」というのは抵抗感がありますので、この路線は諦めることにしました。
ということで、ACアダプタの出力を利用しようということになりました。
ロジクールのクレードル形コードレスマウスのACアダプタです。黄色い矢印のところが出力表示ですが、5.8Vが1A出ています。0.8Vは、48M05とかのドロップ分なのでしょうか。これを流用してみます。
電池がつながっていた場所にコネクタを繋ぎます。ACアダプタ内蔵を試行したので、配線は変わっています。あと、ACコードを使うのは邪魔くさいので、コネクタのところに2箇所、電気ドリルで小さい穴を開けました。
さらに、接点だけでつながっている基板とモーター部を、ごく短い配線の半田付けで直結してみました。
組み立てたの図です。盛ってあるのはホットメルトではなく、信越化学のKE45Tというシリコンゴムです。ACコネクタのところをシリコンゴムで固定しないのは、多少の遊びを持たせた方が良いという判断と、KE45は脱オキシム・タイプで、密閉された場所では銅を浸潤する可能性がある(*1)ので、敢えて盛ってません。後でもう少しなんとかするつもりですが、とりあえず「あまり」邪魔にならない線まで抑えることができました。
(*1)脱アセトン・タイプでKE348というのがあって、これは銅を浸潤する心配はありませんが、秋葉原で普通に売っていたのがKE45だったのでー